内部指図
J2で契約購買の発注を行う際、システムは「この費用はどのプロジェクトに紐付けるのか?」を把握する必要があります。それが 内部指図 の役割です。内部指図とは、費用を特定のプロジェクト・製造命令・作業指図に割り当てるための社内参照コードで、費用配賦分析とSAP連携のために使用します。
内部指図は承認フローや納品フローには影響しません。あくまで費用配賦・プロジェクト別コスト分析・SAP連携のためのフィールドです。
関連ユーザー
Section titled “関連ユーザー”| ロール | 操作内容 |
|---|---|
| プロバイダー | バイヤー企業ごとに内部指図機能を有効化/無効化する |
| バイヤー管理者 | 内部指図マスタデータの作成・管理を行う |
| K001 — 購買依頼者 | 契約購買の依頼時に内部指図コードを選択する |
| K002 — 購買担当者 | 発注前に内部指図コードを確認・確定する |
| KS01 — 承認者 | 承認画面で内部指図情報を参照する |
| SAP連携システム | 日次自動同期ジョブ経由でデータを受信する |
わかりやすい説明
Section titled “わかりやすい説明”内部指図とは?
Section titled “内部指図とは?”日本企業、特に製造業では、購買費用を「どの部門が使ったか」(→ 原価センター)だけでなく、「どのプロジェクト・製造命令のために使ったか」まで把握する必要があります。
内部指図とは、費用を紐付けるプロジェクト・作業指図・製造命令の社内コードです。
例1:ANDY-MFG がヤマハ向けロットを製造中→ 社内製造命令コード:ORD-2025-YAMAHA-01→ そのロット用の原材料を購入 → 内部指図:ORD-2025-YAMAHA-01
→ SAP はこのコードを見て「原材料費 50万円 → ヤマハプロジェクト」と識別する例2:ANDY-HQ が新ITシステムを導入中→ 社内プロジェクトコード:IT-INFRA-2025-Q2→ サーバーやネットワーク機器を購入 → 内部指図:IT-INFRA-2025-Q2
→ IT部門は「IT-INFRA-2025-Q2 プロジェクトの総費用」をレポートで確認できる費用管理フィールドの比較
Section titled “費用管理フィールドの比較”| フィールド | 答える質問 | 例 |
|---|---|---|
| 勘定科目 | 費用の種類は? | 原材料費・消耗品費 |
| 原価センター | どの組織単位が負担するか? | 製造部・研究開発部 |
| 内部指図 | どのプロジェクト・命令が負担するか? | ヤマハ向け製造命令・IT基盤プロジェクト |
この3つのフィールドは補完関係にあり、1件の発注に3つ同時に設定することができます。
機能の有効化条件
Section titled “機能の有効化条件”内部指図はオプション機能です。デフォルトは無効で、以下の2段階で有効化します。
ステップ1:「契約購買」機能を有効にする ↓ステップ2:契約購買設定内の「内部指図」を有効にする ↓→ 発注画面に内部指図フィールドが表示される契約購買が未有効の場合、内部指図のオプションはBuyerSwitch画面に表示されません。
flowchart TD
SETUP["⚙️ プロバイダーが機能を有効化\n(BuyerSwitch設定)"]
SETUP --> PREREQ{"契約購買は\n有効か?"}
PREREQ -- "未有効" --> STOP["⛔ 内部指図は\n有効化不可"]
PREREQ -- "有効" --> ENABLE["✅ 内部指図をONに設定\n(対象バイヤー企業)"]
ENABLE --> ADMIN["👤 バイヤー管理者\n内部指図マスタを作成\n(マスタデータ管理画面)"]
ADMIN --> SAP_IMPORT["📥 または:SAP F541テーブルから\n日次自動インポート\n(RegisterDataInternalOrderF541)"]
ADMIN --> K001["👤 K001 — 購買依頼者\n購買依頼の作成時\n→ 内部指図コードを選択"]
SAP_IMPORT --> K001
K001 --> APPROVE["👤 KS01 — 承認者\n承認画面で\n内部指図を確認"]
APPROVE --> K002["👤 K002 — 購買担当者\n内部指図を確認して\n発注処理を行う"]
K002 --> ORDER["📋 内部指図コード付きで\n発注書が作成される"]
ORDER --> SAP_EXPORT["📤 夜間バッチで\nSAPへデータ連携\n(Shift-JIS エンコード)"]
マスタデータの管理
Section titled “マスタデータの管理”内部指図コードのライフサイクル
Section titled “内部指図コードのライフサイクル”flowchart LR
CREATE["バイヤー管理者がコードを作成\n(またはSAPからインポート)"] --> ACTIVE["✅ 有効\n(有効期間内)"]
ACTIVE -- "終了日を過ぎた場合" --> EXPIRED["⏰ 期限切れ\n(end_date < 今日)"]
ACTIVE -- "管理者が削除した場合" --> DELETED["🗑️ 削除済み\n(論理削除)"]
EXPIRED --> DELETED
有効期間の管理
Section titled “有効期間の管理”各内部指図コードには開始日と終了日があります。
- 今日が [開始日, 終了日] の範囲内のコードのみ、発注時の選択ポップアップに表示されます
- デフォルトの終了日は実質的に無期限に設定されています
- 期限切れのコードは過去の発注履歴には残り続けますが、新規発注のポップアップには表示されません
- 契約購買との依存関係: 内部指図は、その企業の契約購買機能が有効な場合のみ有効化できます。単独での有効化はできません。
- 企業ごとの独立管理: カンパニーグループ内の各企業は、それぞれ独自の内部指図マスタを持ちます。ANDY-MFGのコードはANDY-HQには表示されません。
- 有効期間による絞り込み: 内部指図の選択ポップアップは、有効期間内(開始日 ≤ 今日 ≤ 終了日)のコードのみを表示します。
- 論理削除: 削除されたコードはデータベースから物理削除されず、削除フラグが立てられてUIから非表示になります。過去の発注履歴は引き続き元のコードを参照します。
- 任意入力: 機能が有効化されていても、内部指図の入力は必須ではありません。
- SAP連携 — Shift-JIS エンコード: SAPへのデータ連携時はShift-JISエンコードで出力されます。コード名にShift-JIS対応外の特殊文字を含めないよう注意してください。
- SAPインポートが手動入力より優先: 内部指図マスタは通常SAP F541テーブルから自動インポートされます。手動登録後にSAPジョブが実行された場合、SAPのデータが上書きします。
エッジケース/特殊なシナリオ
Section titled “エッジケース/特殊なシナリオ”- 承認待ち中にコードが期限切れになった場合: 発注作成時に選択した内部指図コードが、承認待ち中に期限切れになっても、そのコードは発注書に保持され正常に表示されます。システムは自動削除や警告を行いません。
- SAPインポートによる上書き: SAPジョブは変更区分(新規/更新/削除)に従ってデータを更新します。手動登録後にSAPジョブが実行された場合、SAPデータが上書きします。
- 機能を無効化した後の既存データ: プロバイダーが内部指図を無効化しても、過去の発注データはそのまま保持されます。新規発注のみがフィールド非表示の影響を受けます。
- 独自ステータスなし: 内部指図には独自のステータス(有効/無効)はありません。有効性は有効期間(開始日・終了日)と削除フラグのみで制御されます。
ステージング環境の画面
Section titled “ステージング環境の画面”各ロールに対応するステージングアカウントでアクセスしてください。
| 画面 | ロール | ステージングURL |
|---|---|---|
| 内部指図機能の有効化(BuyerSwitch) | プロバイダー | /eProcurement/Settings/MasterManagement/BuyerSwitch |
| 内部指図マスタデータ管理 | バイヤー管理者 | /eProcurement/Settings/MasterManagement/MasterDataDetail |
| 発注作成時の内部指図選択 | K001 / K002 | 契約購買の発注画面から内部指図フィールドをクリックすると選択ポップアップが表示されます |
| 承認画面での内部指図参照 | KS01 | 承認待ちリストから対象発注を開いて確認してください |